番組制作会社はやめた方がいい?ってよく聞きますよね!
番組制作は過酷ですが、その反面、他では味わえない経験やライフスタイルを得ることもできます。
長年テレビ制作の現場を経験した大百科ライターが、“番組制作会社で働くメリット&デメリット”をリアルな視点でまとめていきます。
就職活動や業界に飛び込むのに迷っている方々の参考になれれば嬉しいです。
ADの噂ってホント?嘘?を書いた記事もあるので、ぜひ合わせて読んでみてください!
目次
メリット
企画やアイデアを形にできる
なんといっても自分の企画・アイデアを形にでき全国の人たちに届けられるのは、他では得難いやりがいの一つになります。
放送作家やディレクターではなくても、AD(アシスタントディレクター)でもアイデアが採用されることもあります。
数百万人、数千万人が観ている国民的作品に関われるのは、テレビ制作ならではの魅力になります。
視聴者の反応を直接感じられる
携わった番組の良し悪しがはっきりと感じられるのもメリットの一つです。
番組が面白くなかったのか、面白かったのか、視聴率ではっきりと決まる残酷な世界ですが、番組制作に関わるすべてのスタッフが視聴率を求めています。
SNSの普及で、喜びや感動、その時の批評も含めた「生の声」がすぐに見れるのもやりがいを生みます。
視聴者からのポジティブな反応は、制作の苦労が報われた瞬間ですし、次の制作への励みになります。
非日常的な経験ができる
テレビ番組制作は普通だと行けない場所、一般の人では会えない著名人と仕事をすることもあります。
私の場合、何十年待ちの超有名お寿司屋さんに行かせていただきましたし、世界的ボクシング王者マニー・パッキャオさんのアテンドのアテンドをしたことがあります。
広告代理店や映画、ドラマ、CMなどの映像制作でも味わえない経験を、番組制作では味わうことが間違いなくできます!そのため、忙しく、過酷な業界なのかもしれません。
日々新しいことに挑戦できる
番組によって、毎回違うテーマや企画を扱うため、取材先・ロケ地・出演者が変わり飽きることがありません。
毎回新しいことに挑戦することで辛くて過酷な状況を生み出していますが、面白い番組を作るために仕方ありません。
しかしクイズ番組や再現、アーカイブ番組だと、作業内容が変わらずに新鮮さが生まれにくい番組もあります。
平日休みで空いてる
番組制作業界は基本的に不定休です。土日祝も関係なく、常に動くのが当たり前で、休みが取れるタイミングが平日になることも多々あります。
平日休みだと、普段は大行列のところもスムーズに入れますし、旅行の交通費・宿代もかなり安くなります。
高速道路の渋滞を気にせず、ストレスフリーで旅行できるのも平日休みの特権です。
そのため業界人の多くは、わざわざ休日混んでるところに行きたがらなくなりがちです。
どこでも通用する制作スキルを学べる
テレビ番組制作を経験すると、どこでも通用する制作スキルを得られます。
一つの番組に対する予算が、SNSやYouTubeに比べ物にならないほどかかります。ゴールデン番組であれば数千万円、深夜番組でも数百万円も使います。
長いテレビの歴史で培った経験や技術は番組制作でしか学べません。テレビ制作で経験すれば、どこにいっても確実に順応できる制作スキルを身につけられます。
出来れば1年目や新人の頃に、テレビ制作のど真ん中の地上波ゴールデン番組を担当するとビックリする速度で成長できます。その後に希望する情報番組、報道番組、ドキュメンタリーでも確実に通用するでしょう。
広報など転職後もスキルを活かせる
テレビ制作のスキルを制作以外でも活かし、転職後に活躍する人も多いです。
テレビ制作者の気持ちや、企画の決まり方など番組制作の目線を持っているの、他では絶対に得られない財産になります。
PR会社で長く勤めても、テレビ制作の気持ちは理解することは出来ません。
テレビ制作の気持ちを汲み取って、良好な関係を構築したり、企画PRを考える場面で制作経験は絶対に役に立ちます。
最近だと、放送作家で大活躍した鈴木おさむさんもテレビ業界を引退し、新たな道に進みましたが、これまでの経験・知識・人脈をフルに活かし新たな舞台で活躍しています!
デメリット
長時間労働と不規則な勤務
番組制作スケジュールは非常にタイトで、徹夜作業や休日出勤が当たり前です。打ち合わせ・ロケが早朝や深夜に設定されることも多く、勤務時間は不規則になりがちです。
今でも1週間以上家に帰れないことや、徹夜することも普通にある業界ですので、覚悟は必要です。
私自身も3週間家に帰らず、常にテレビ局で寝泊まりしたことも、72時間(3徹)したこともあります。※もっとすごい経験をしている人もたくさんいます。
ただADを休ませる動きが年々高まっており、休みやすくなってきています。
予定が立てられない
ADはプライベートとの両立が難しいです。いつどこでディレクターの指示が飛んでくるかわからないですし、番組の企画が急に変更になることもあります。
番組制作は常に誰かの影響でスケジュールが決められるので、予定を立てることがほぼできません。
数ヶ月前の予定などを決めても無駄になることもあります。これはADだけでなく、ディレクターやプロデューサー、放送作家も同じであり、業界全体として常識です。
仕事とプライベートが分けられない
テレビ番組が24時間常に放送されているのと同じく、番組制作もオンオフの見境がありません。
土日祝でも深夜でも電話が当たり前にかかってきますし、24時間LINEが届くことも普通です。
仕事だけでなく、日常の中に企画やアイデアのヒントを常に探すようになります。番組制作を長く続けると、意識していなくても無意識に仕事のことが常に頭の中にある状態になるでしょう。
私服で、髪型も自由で、通勤ラッシュもほとんど経験しないで、社会人になった意識があまりなく学生の延長線上の感じがします。
テレビ業界全体の制作費が減少
近年、ネットに広告費を抜かれてしまい、テレビ広告は年々少なくなってきています。番組制作費もどんどん少なくなってきていますし、ギャラも安くなってきています。
テレビ業界全体としてオワコンと思われているのが、残念でしかたありません。
しかしテレビの素晴らしさやパワーはいまだに健全です。どのメディアよりも影響力や発信力は強いままであり、求められています。
旧態依然の環境ではなく、新しい時代に適応する形を模索し始めた雰囲気をテレビ業界にも感じるようになりました。
制作費が少なくなりつつある現状ですが、みんなでテレビ業界の未来を明るくしていきましょう!
労働に見合わない報酬
番組制作会社の場合、長時間労働に見合うだけの給与・報酬が得られないことも多いです。テレビ局員の場合はしっかりともらえますが、番組制作会社はピンキリになります。
徹夜続き、1ヶ月休みなしで働いても、給与には反映されないこともあります。時給換算したら、びっくりするかもしれません。
給与体系については、番組・映像制作の業界全体として変えていかなければいけない課題だと思っています。末端のADやディレクターが声を上げても届かず、上の世代が変えていく決断をしないといけません。
AD不足が深刻化する業界で、未来を背負う若い世代が入ってこなければおしまいです。
もしこれを見ている経営者や上層部の方がおりましたら、どうかAD・Dの給与体系の改善をお願いします。
元テレビマンが働くメリット&デメリットを徹底解説、いかがでしたか?
イメージ先行でデメリットが目立ちがちですが、意外とメリットも多くまだまだ捨てたもんじゃないと思っています。
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