誰しも絶対に一度はミスをするテレビ業界の原稿の印刷の仕方、種類について徹底解説していきます。

現場や渡す人によって、大きさや向き、ホチキスを止める場所など全然異なりますので、これを読んで印刷ミスを無くしていきましょう!

「この原稿はどう印刷すればいいの?」とわからず、ミスして怒られる新人AD(アシスタントディレクター)は毎年、いや毎日いるかもしれません。

箱や、MA室、スタッフルームで原稿印刷に困っているけど、先輩ADに聞けない皆さんの手助けになれたら嬉しいです。

テレビ番組制作の主な原稿の種類

ナレーション原稿(NA原)

ナレーション原稿とは、ナレーションが書かれた原稿のことです。基本的に、ディレクターが作成し、総合演出がチェック・修正する制作において、最重要原稿になります。

主にナレーションを撮るMA室で使われる原稿であり、業界人以外も一番ポピュラーな原稿かもしれません。

配る人
ナレーター・ディレクター・AD・PなどMA室にいる全員
ナレーター用制作・編集用
サイズB4A4
ホチキスなし!絶対になし!なし or 左上1箇所(好みによる)
向き
ページ番号ありあり
印刷片面印刷片面印刷
一言メモ
渡す人によってサイズが違うのはNA原稿だけで、ナレーターと制作ではサイズとホチキスの有無も違います。ホチキスの位置や片面印刷を間違えると、めちゃくちゃ怒られる初歩中の初歩の印刷になります。

ナレーターさんは大きく読みやすいB4で、原稿をめくりやすくホチキスなし。制作用はA4でホチキスがなくてもOK。サイズと片面印刷の違いは絶対に間違わないように覚えましょう!

外ロケの場合は日の入り・日没時間を把握してスケジュールを組みましょう。

テロップ原稿(テロ原)

テロップ原稿とは、テロップが書かれた原稿のことです。ディレクターのオフラインプロジェクトからADが抜粋して原稿化します。

箱(EED)での作業中に絶対に使う原稿。タイムを入れたり、細かい情報を丁寧に書かないといけないので、テロップを学ぶ練習にもなる。

配る人
エディター、アシスタント、ディレクター
サイズA4
ホチキス左上1箇所
向き
ページ番号あり
印刷片面印刷
良いテロ原の特徴
テロップの種類がわかりやすい(音テロ、情報系、コメントフォローなど)
ちゃんとタイムが書いてある
細かい色の指定をしてくれる
特殊な加工は口頭ベースで説明
5分ごとなど小まめに原稿を渡す
一言メモ
テロ原は箱に入りながら、ADが作ることがほとんどになります。テロップ原稿を見ながら、アシスタントさんはテロップを仕込んでいきます。テロ原がなければ、箱の作業は遅れてしまうのでしっかりと準備しましょう。

テロ原は、ADにとってテロップを考えるディレクターの練習にもなります。情報量が多かったりや、読みにくい場合などは、適宜調整しながら進められると箱もスムーズに進みますし、作業も楽になります。

直し原稿

直し原稿とは、MIXや画完チェックで修正が出た箇所をまとめる原稿になります。ディレクターから指示をADがメモして原稿化します。

最終の修正になるので、抜け漏れがないように作らないといけない。また細かいタイムをメモしておかないとわからなくなるので注意が必要。

配る人
エディター、アシスタント、ディレクター
サイズA4
ホチキス左上1箇所
向き
ページ番号あり
印刷片面印刷
良い直し原稿の特徴
ちゃんとタイムが書いてある
修正内容を細かく伝える
音テロ修正の場合がフレーム単位で指示
一言メモ
直し原稿は最後の修正のときに使う原稿になります。枚数は多くないですが、細かい修正が多いので丁寧に作成しましょう!

外ロケの場合は日の入り・日没時間を把握してスケジュールを組みましょう。

基本口頭ベースでディレクターが伝えてくるので、まずは手書きでメモしてからPCに落とし込むなどして聞き漏れやメモ漏れを気をつけましょう。原稿に落とし込むよりも、修正内容を的確に把握することを優先し、落ち着いてミスがないようにしましょう!

番外編:収録・ロケ台本

サイズA4もしくはB5(番組や局によって異なる)
ホチキス右側2箇所
向き
ページ番号あり
印刷両面印刷
台本印刷の注意事項
背表紙は絶対にスケジュール
大量印刷する前に一部印刷して確認(誤字脱字・名前表記や漢字)
制作用・演者用など印刷が混ざらないように注意
番組よって資料順番が決まっている
一言メモ
直し原稿は最後の修正のときに使う原稿になります。枚数は多くないですが、細かい修正が多いので丁寧に作成しましょう!

外ロケの場合は日の入り・日没時間を把握してスケジュールを組みましょう。

ロケ台本・収録台本の印刷もADの仕事になります。香盤表や青図、スタッフ表などさまざまな資料を一本化して印刷しなければいけません。

一冊の台本で30ページ近くあり、少なくても50部、多ければ数百部印刷しますので、絶対にミスは許されません。誤字や演者さんの名前が間違っていたら、全て破棄で刷り直しになります。

ADは毎日のようにさまざまな資料を印刷します。印刷ひとつで仕事が出来る出来ないと評価されてしまうほど重要な仕事になります。

印刷を教えるのは、とても面倒臭いです。自分でやった方が早いし、ミスったら自分の責任だし、簡単な作業だけど意外と細かいルールがある作業ですので、印刷を教えるADの教科書になれたらと思っています。

「テレビ制作大百科に書いてるから、読んで印刷して!」と業界内に広がることを願っております。

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