ADとディレクターは雲泥の差があります。皆さんが想像する以上に圧倒的な違いです。

天と地、海と山、男と女、王と兵・・・ 何もかもが違うAD(アシスタントディレクター)とディレクターを細かくまとめていきます。

一体どれくらい違うのかを、元テレビマンの大百科ライターが解説を読めば、99%理解できます。残りの1%は実際にADをやらないとわからないでしょう!

ADの仕事内容や、ディレクターの種類や役割について、まとめた記事もあるので、ぜひ読んでみてください。

ロケ

ディレクターは、基本的に演出面のみに注力し、ロケが面白くなる事を考えます。リサーチや仕込みなどは基本的に行わない。ただ近年は、ディレクターも仕込みやリサーチをやる場合が増えてきた。その他に、ADが作成した資料・スケジュールの確認作業も行い、ロケ進行の最終的な責任者である。

ADは、基本的ロケのリサーチ・仕込み・資料作成を行い、演出や企画面においては関わらない。ディレクターからの指示をこなす。作成した資料・スケジュールなどは、全てディレクターに最終確認してもらい、決定権は何一つない。

ディレクターAD
仕込み・リサーチ基本ADに任せる!※Dがやる機会も増加中マストの基本業務
ロケハン演出面の確認&ADのサポート導線や段取りの確認
ロケ企画・演出面のみを考える段取り・雑務など裏方作業

外ロケの場合は日の入り・日没時間を把握してスケジュールを組みましょう。

オフライン・編集

ディレクターの一番の腕の見せ所です。面白いVTRをいかに作れるかが、ディレクターの評価基準になります。基本的にオフラインは、ディレクターが1人で作業します。ADには情報確認や借用素材などを依頼するくらい。

ADは、基本的にデジタイズ・段積みを行うだけになります。ディレクターによって、マルチクリップを組むこともあります。編集に関しては、ADは特に何もしないし、関与することがないです。ただひたすら面白いVTRを繋いでくれる事を信じて待つのみです。

ディレクターAD
デジタイズ絶対やらないマスト業務
段積み絶対やらないマスト業務
オフライン1人で行う関わらない

タレントさんが来ることでついつい張り切ってしまい、ロケハンで訪れて感じたいい雰囲気が変わってしまい残念なことに・・・

出勤

ディレクターは、仕事がなければ出勤しない裁量労働制になる。好きな時間に来て、好きなタイミングで帰れる。

ADは仕事がなくても、決まった時間に基本出社する固定労働時間制が基本。チーフADやディレクターの状況に合わせて、自分のタイミングでは基本帰れないし、出勤時間も決まらない。

ディレクターAD
出勤時間自由(自分で決めれる)固定もしくは決められる
退勤時間自由(自分で決めれる)固定もしくは決められる
労働体系裁量労働制固定労働時間制

年収・給与

ディレクターは、制作会社・派遣・フリーランスによって異なる。さらに実力によって大きく変動する。能力があればテレビ局員よりも余裕で稼ぐディレクターも多くいる。

ADは、制作会社・派遣によってそれほど変わらない。フリーランスの場合のみ、多少異なるが大幅な差はあまりない。

ディレクターAD
制作会社500〜1000万250万〜500万
派遣会社400〜600万200万〜400万
フリーランス300万円〜2000万以上(青天井)100万〜600万

キツさ・寝れなさ

ディレクターも、かなりキツい!AD不足のため、AD仕事も行わなければならない状況になってきており、ディレクターの方がキツくなりつつある。

また番組を何本担当するかによって、寝れなさは全く異なる。4本レギュラーを持つディレクターの場合、ほぼ寝れない。常にオフラインと打ち合わせなど、超激務。本数が少なければ、基本的には寝れて、オフライン・編集中のみ寝れない日がある。

ADは、もちろんキツい!帰れない・寝れない・休めないなどは当たり前の世界。ただ働き方改革などで、ADを守る環境に大幅になった。AD不足のため、辞められたら困るので、昔ほど無茶苦茶な環境ではなくなった。

またロケ前日・収録前日・編集作業など決まった作業の時などは、基本寝ずに徹夜作業になる。ディレクターと違い、責任がある作業が少ないので時間や締め切りに追われて、寝れないことは基本的にない。決まった作業・雑務が膨大で寝れない。

ディレクターAD
キツさキツい!ADよりもキツい場合もあるもちろんキツい!
寝れなさ担当番組の本数次第(実力次第)寝れない時も多々ある

雑用

ディレクターは、一切やらない。ADに任せる。ディレクターは雑用をしなくてもいいポジション。

ADは、全ての雑用をこなす。ディレクターの雑用は全て行うのがADです。仕事に関わる雑務は、ADが率先して行いましょう。可愛がられます。

ディレクターAD
雑用全くやらない!仕事じゃない全てやる!マスト業務

責任

ディレクターは、責任が重くのしかかります。VTRやロケの良し悪しは全てディレクターの責任。ADがポンコツでも、責任を負うのがディレクターの仕事。そのため、キツさや過酷さはADよりも大きい。

ADは、基本的に責任は一切ない。責任を負う作業はほとんどなく、演出面や企画に与える影響は少ない。そのため、ADのミスは全てディレクターにのしかかることになる。ADのミスはディレクターに直結する。責任感が芽生えたADは、確実に優秀なAD!

ディレクターAD
責任責任重大!ほとんど責任がない

年齢

ディレクターは、20代後半〜50代まで幅広くいる。演出、総合演出などディレクターによって、クラスや役職も変わる。

ADは、20代前半〜30代半ばまでの狭い範囲。基本的にはどんなに遅くても30代半ば、業界歴10年くらいでディレクターに昇進する。

ディレクターAD
年齢20代後半〜50代20代前半〜30代前半

男女比

ディレクターは、基本的に男性が多い職種です。しかし番組や企画によって、女性ディレクターが重宝されるので、優秀な女性ディレクターは貴重な存在。

ADは、男女は同じくらいになる。女性のADはAPになる傾向があり、ディレクターの男女比が大きく変わる。また最近だと、ディレクターよりもAPを志望する男性ADも増えてきた。

ディレクターAD
男女比男8:女2男5:女5

ADとディレクターの違い、いかがでしたか?

まるっきり異なる部分は多いですが、キツさや大変さなどの過酷さは、ディレクターになってもあまり変わりません。むしろ大変になっていきます。

数百万、数千万人に届ける責任やクオリティーに関しては、重大な責任を負うことが一番の違いになります。

ADも大変ですが、違う種類の大変さがディレクターにもあり、どちらもやりがいある仕事になります。

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