テレビで芸人さんの言葉によく出てくる“編集場”って具体的に何をしているか知っていますか?

聞いたことがあっても業界人以外は意外と知らない人も多いはずです。

箱に慣れてない新人ADさん、業界のことを知りたい学生は、これを読めば箱の全体像が理解できると思います。

編集所(通称:箱・EED)でどんな事を行うのか、時系列に沿って解説していきます。

HDD &プロジェクト搬入

午前10時

まず最初にディレクターがオフラインした最終プロジェクトが入ったHDD(SSD)をエディターに渡します。

そしてプロジェクトを開いてもらい、簡単にVTRの説明をしていきます。

ここでオフライン・番組のスケジュールを共有しておくのが大事になりますので、丁寧に伝えておくのがいいでしょう。

説明するポイント
全体編集スケジュールのイメージ
尺になっているか
デフォーカス処理の有無
特殊な加工の有無(扉・エフェクト)
ディレクターチェックの予定

白作り&テロップ仕込み

11時〜

プロジェクトを渡し、作業調整を行ったらエディターさんが”白”を作っていきます。そして同時にアシスタントさんが”テロップ”を仕込んでもらいます。

業界用語を説明している記事もありますので、特殊な用語はこちらで確認してみてください。

白作りとは、VTRの下地を作っていく作業になり、箱では絶対に白から作り始めます。

白を作らないと編集が始まりません!

白作業
カラコレで色味を整える
デフォーカスをかける
インサート素材を追加

白を作りながら、アシスタントさんにはテロップ原稿(テロ原)を渡し、テロップを作ってもらいます。

テロ原は箱で作業をしながら作っても、箱に入る前に作ってもOKです。スケジュールや体力に合わせてテロ原を作ればいいと思います。

箱に入る前にテロ原を完成させていれば、白作りの間はたっぷり休むことができます。

短くて3時間、長ければ12時間以上は白作りをします。

寝れます!!!

テロップ入れ

20時

ここから本格的に編集所が動き出します。

白が完成したら、テロップを入れていきます。

皆さんが想像する編集の部分になると思います。

白作業の間に作ってもらっていたテロップをどんどん入れていきます。

もしテロップが出来ていないと箱が止まります!

ディレクターにもプロデューサーにも怒られるので、箱は止めないように心がけましょう。

サイド入れ(本編編集のみ)

一本化・本編編集の場合は、ここでサイドテロップを入れる作業が入ります。

サブ出しの編集では、サイド入れの作業はありません。

サイドはレンダリングに時間がかかるので注意が必要です。

音効に画完を送る

27時

テロップが入りきったVTRを画完といいます。

SE・BGMはついていなく素材音のみで、テロップや映像部分だけが完成したVTRになります。

画完ができたら、すぐに音効さんに送りましょう!

VTRを見ながら、音効さんがSEやBGMをつけていきます。

もし音効さんの連絡を忘れたり、スケジュールを共有していないとヤバいことになるので、「画完が出来たら音効!」を絶対覚えておきましょう!

画完が完成して、音効に動画を送ればひと段落です。

MAまでは一旦休みになりますので、家に帰って休むこともできます。

MA(整音・音づけ)

翌午前10時

MAでは音の調整をしていきます。

整音や音づけ作業の間は、ADやディレクターなど制作スタッフは基本的に立ち合いません。次のナレーション撮りに合わせて制作スタッフが集合します。

ナレーション撮り

13時

整音や音づけが終わっていなくても、ナレーターさんの時間に合わせてナレーション撮りを行います。

サブ出しの場合は、30分程度で終わりますし、本編の場合は2時間以上かかることもあり内容によって収録時間は異なります。

ナレーション撮りを終えたら、ADさんは絶対にMIXの目処を確認しましょう!

MIX目処がわからず、段取りが悪いとディレクターは怒りますし、仕事できないと思われてしまいます。

MIX時間がミキサーさんに確認すれば教えてくれます。

MIX

15時

MIXとは、画完にSE・BGM・ナレーションが完璧に入った状態でVTRをチェックすることです。

基本プロデューサーや演出も集まり、制作スタッフ全員で最終確認をしていく時間になります。

ここでSEやBGM音声レベルの確認・調整をしながら、テロップのミス、誤字脱字など映像の細かい修正も確認していきます。

編集直し

18時

MIXで終わったらもう一度箱(EED)に戻って、直し作業を行います。

テロップミスや画像の差し替え、デフォーカスの追加など、尺が変わらない比較的な簡単に終わる作業になります。

直し作業をする場合は、SEのタイミングでテロップをズラすことも多いので、MIXされた音声データを引いて、作業するようにしましょう。

書き出し

20時

直しが終われば映像を書き出しして終了です。

書き出す時は、必要なVTRを全て書き出しておきましょう。

主な書き出し
完パケ
サイド前画完(本編のみ)
白完パケ

まとめ

一本化なのか、サブ出しなのかによって、大幅にカロリーや作業日数が異なりますが、基本的な箱の流れをこんな感じになります。

作業内容やスケジュールが変わることはないので、慣れてしまえば単純作業の繰り返しになります。

いま箱に1人で入ってる新人ADさん!

箱の成功を祈っています!

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