テレビ番組制作に入れば一度は経験するのが、街頭インタビュー(通称:街録)です。
簡単そうに見えて、意外と難しく奥深い街録を成功させるコツ、編集を楽にするテクニックをご紹介します。
初めて街録に行くAD、街録が上手くいかないディレクターもこれを読めばきっとうまくいきます!
目次
明確なターゲット層を決めて、ロケ場所を選定
初歩中の初歩になりますが、街録は場所選びが肝になります。
平日・休日・時間帯・カップル・家族・バラエティ・情報・報道など求めるコメントや企画によって場所を決めましょう。
場所選びを間違えると1日稼働して、撮れ高0の可能性もあります。
定番街録スポットをご紹介していますので、そちらでぜひチェックしてみてください。
壁や通行人が通らないスペースで撮影
デフォーカスとはモザイクのことで、インタビュー中に、後ろを横切る人は基本的にデフォーカスをかけないといけません。
編集作業で余計な時間や労力をかけないためにも、インタビューの背景を壁や通行人が通らない場所で行うのがテクニックのひとつです。
タレントさんが来ることでついつい張り切ってしまい、ロケハンで訪れて感じたいい雰囲気が変わってしまい残念なことに・・・
許諾が面倒臭い未成年は「声がけで見極める」
基本的に未成年の出演には保護者の同意も必要になる番組も多いです。
そのため現場での出演許諾だけではく、後日連絡も必要になりますので、作業が増えてカロリーが増えます。
せっかく使えるインタビューでも保護者がNGな場合はお蔵入りになります。
年齢やターゲットにこだわりがなければ、未成年へのインタビューは避けるのが無難です。
そのため、お声がけするときに
今20代の方にインタビューしてるんですけど・・・
と対象年齢があることを伝えると簡単に判別することができます。
10代なら「すみません!まだ10代で」と断られるので、撮影した後にお蔵入りに確実に防げます。
大人数の場合は画角やポジションを調整してから撮影
3名以上のグループを撮影するときは、撮影前にポジションを調整しましょう。キュッと寄ってもらわないと、画角に収まらないです。
さらにメインで喋る人が変なポジションだと余計撮りにくく、編集もしづらいです。
メインで喋る人を確認し、真ん中に立ってもらい、キュッと詰めてもらうなど、位置を調整しましょう。
自己紹介や年齢などプロフィールを頭で絶対に聞く
街録素材は膨大ですので、誰が誰だかわからなくなります。
撮影許諾書と動画を確認したりする時に、一番最初に「名前」「年齢」「趣味」など聞いておくと編集作業がめちゃくちゃ楽になります。
編集中に「名前」「年齢」「趣味」を入れることがあるので、その時にいちいち動画を見返すのはかなり面倒くさいですが、最初に撮っておけば、探す手間がなくなります。
さらにアイドリングトークにもなるので、その後のインタビューもスムーズに入れるおすすめです。
「あれ」「それ」などの抽象的な言葉を言語化
「あれ」「それ」「あそこで」「あの時」などの抽象的な言葉は、具体的に言語化して話してもらいましょう。
インタビューをしている人は理解できますが、編集してみると事前説明がないと理解できないことがほとんどです。
編集すると数十秒になる街頭インタビューでは、説明する時間がないのでON(言葉)でもらわないと使えません。抽象的な言葉が出たときは、説明して撮り直しをしましょう。
すみません。“あそこで”の部分を、“東京タワー”で言ってもらっていいですか?
抽象的な言葉をなくすだけで、一気に街録が上手くなりますので、このテクニックは絶対に身につけましょう!
リアクションは大袈裟
制作サイドの顔はカメラに映りませんが、インタビュアーも出役の1人です。音声は使われるので、リアクションを大袈裟にしましょう。
「えっ!なにこれ!?」
すご!1000万円!?
全然違いますね!
リアクションも街録の一部です。リアクションがあるかないかで大きく変わるので、リアクションするときは大袈裟くらいがちょうどいいです。
「構成」「オチ」を考えながら質問し深ぼる
街録の難しさはコメントを引き出し、組み立てることになります。ただインタビューをするだけだと、何も面白くなりません。
街録が上手い人は、インタビューをしながら、深堀しネタを引き出していきます。そして話しを聞きながら、頭では次の質問や展開を考えながら進めます。
どういうコメントが必要か、オチの付け方はどうするか、撮れ高はあるのか、など常に考えなら質問します。
このネタ強いから、もっと掘り下げよう
このエピソードはドジ系で落としてもらおう
キラーフレーズ言わせたらこれ確実に使えるな
最初は誰でも出来ないので、安心してください。徐々に回数を重ねて、街録に慣れれば考えながらインタビューできるようになります。
インサートを忘れない
インタビューをしている時に話したインサートをしっかり撮りましょう。
「服」「スマホ写真」「小物」「靴」「顔が似てる」などキーワードになる素材は撮っておきましょう。
撮っておかないとPVで怒られますし、出来ないレッテルを貼られてしまいます。
インサートなので、インタビューが終わった後にまとめて撮ると効率的です。
後悔するインサートあるある |
---|
スマホの写真のデータをもらう |
全身のパンUPとバストショット |
ピアス、指輪などの小物 |
追加素材の可能性を事前に伝える
撮影した後に、欲しい素材を連絡する可能性があることをちゃんと伝えておきましょう。
「自宅で料理をしている様子」「ペットの写真」「家族写真」など、その場で持っていないけど編集で必要になります。
登録していない番号からの急な連絡は怪しくなったり、怖がられてしまいます。
ですので、インタビュー終わりに後日素材の提供を依頼する可能性があることを伝えておきましょう。伝えるだけでAD作業がめっちゃ楽になります。
街頭インタビューのコツ10選、いかがでしたか?
ちゃんと教えてもらう機会がないので、ぜひ街頭インタビューの教科書として使っていただければ嬉しいです。
街録の待ち時間や、ADさんを教育する時に「これ読んでおいて!」とさっと目を通すだけでも、きっといい街録になるはずです。
少しでもいい街録が生まれることを心より願っております。
最新の記事や他にはないロケ地情報をSNSで発信しております。
ぜひ番組制作者の皆さん、映像制作者の皆さん、メディア業界関係者の皆さん、フォローお待ちしております。
書いて欲しい記事やご意見などもお気軽にコメントください。